本場結城紬の一番の特徴は、真綿から手でつむぎだす糸にあります。 真綿は、蚕の繭を煮て柔らかくして広げたもので、やわらかく、空気をたくさん含むために温かく、とても心地良く優しい素材。この真綿から人の手で糸をつむぎ出すことで、素材の良さを損なわない、最上質の糸ができあがります。 日本全国に数ある紬の中でも、縦糸・横糸の両方に手つむぎ糸を使うのは本場結城紬だけ。これが、本場結城紬が最高峰の絹織物とされる由縁で、その本質的な上質さは、古来より多くの人々を魅了してきました。これらの卓越した技術は、世界共通の財産として、2010年ユネスコ無形文化遺産に登録されました。