日光街道 小山蒸溜所

日光街道 小山蒸溜所について

2022年春、当蔵敷地内に既存の蔵の改築が完了し、新たに「日光街道 小山蒸溜所」が誕生しました。

当社では、今後新たにウィスキー製造を開始し、あわせてウォッカやジンなどのスピリッツ製造をして参ります。

当蔵敷地内の既存蔵(旧精米蔵)を基に、その木造建築の味わいを残しながら製造設備を導入し、蒸溜所として改築しました。

目の前で蒸留作業を見ることが出来るとともに、古今東西の技術を独自発展させる、日本の酒造り文化を体感できる見学ルートも併設しています。

國酒・日本酒を醸している酒蔵ならではの発酵技術を基に、国産蒸留酒の製造に取り組んでまいります。

蒸留酒の製造について

①日本酒造りで培った発酵技術を応用する(発酵)

当社の蒸留酒製造においては、日本酒蔵というルーツに即し、國酒・日本酒の発酵技術を投入することをポリシーとします。
具体的には、蒸留酒の発酵工程において清酒酵母を使用し、日本酒造り特有の製造方法を応用します。

お酒は、ビール、ワイン、日本酒などの「醸造酒」とウィスキー、スピリッツ、焼酎などの「蒸留酒」に分けられますが、日本酒は、「並行複醗酵」「低温長期発酵」といった難易度の高い製法から編み出される、世界で最もアルコール度数が高い「醸造酒」です。
そして、その特殊な環境下で日本独自で進化してきた清酒酵母は、発酵能力が卓越したものであることが知られています。

通常、ウイスキー製造には輸入品であるウイスキー酵母やビール酵母を使うことが一般的です。
しかし、清酒酵母を使った方法論は、業界に公開知見が全く存在しないため、独自で試行錯誤をする以外に方法はありません。
日本酒造りをルーツにする酒蔵だからこそ、敢えてそこに挑戦することに意義を見出しております。

発酵の主役である酵母は、主に「香り」を決定づける重要な微生物です。
この発酵工程を通じて、蒸留前の原酒の香気成分が決定するため、非常に重要なプロセスとなります。

当社の蒸留酒では、清酒酵母のポテンシャルを存分に発揮した独自性のある風味を目指します。

②改造した国産ステンレス蒸留器で蒸留する(蒸留)

本蒸溜所で使用する蒸留器は、従来の蒸留器の目的と原理を考慮した上で、国産ステンレス蒸留器を改造したものを採用しています。

ウィスキー製造においては、銅製のポットスチルが一般的と考えられていました。

歴史的に、ステンレス鋼が発明される以前、「銅」が加工しやすく熱伝導率も高い金属だったということや、銅には硫黄化合物を吸収する能力があり、蒸溜中に様々な化合物が接することにより、エステル(フルーティな香り)が生まれてくると考えられていることが主な理由です。

しかし、銅製ポットスチルは劣化が激しく耐久性やメンテナンスが課題でした。
また変形しやすく、高負荷の圧力にも耐えられない構造となります。

そこで、ステンレス製の蒸留器の導入を改めて検討し、
・硫黄化合物の吸着は、銅板を入れて触媒にすれば原理的には同じである(むしろ可変性もある)こと
・「常圧蒸留」だけでなく「減圧蒸留」が可能であること
といったメリットを考慮し、銅製ポットスチルではなく、「国産ステンレス蒸留器の改造」という方法を採用しました。

当蔵のステンレス製蒸留器は、内部に着脱可能な特殊形状の銅板を貼って改造しています。
常圧蒸留だけでなく減圧蒸留も可能で、沸点を下げた蒸留によるクリーンな味わいの蒸留酒は、ウィスキーだけでなく、ウォッカやジンなどのスピリッツ製造にも適しています。

③日光山系の自然伏流水が仕込水(水)

蒸留酒において、仕込水を表す「母なる水(mother water)」や、ウイスキーの語源にもなる「生命の水(aquavitae)」など、水こそが最も重要なものと考えられているといっても過言では有りません。

当蔵は創業以来、敷地内の井戸から湧き出す日光山系の自然伏流水を酒造りに使用してきました。
この水は、関東平野に注ぎ込む日光山系の自然伏流水であり、その水質は「中硬水」となります。
昔から、発酵に必要な適度な硬度を有すため、昔から酒蔵が多く集まる地域でした。

ウイスキーは一般的に軟水で仕込まれることが多いですが、中硬水で仕込んだ銘柄はスイートでフローラルな香りが特徴のものが多いとされています。

当蔵では、この仕込水を活かし、ふくらみのある味わいの蒸留酒造りを目指してまいります。

蒸留酒の商品開発について

※製造作業の様子(一部)

蒸留酒に使用する穀類(一般的にはトウモロコシや小麦等)については、酒米を磨いた際に出る米粉を原料として使用します。

清酒酵母で発酵・蒸留する国産スピリッツ(ウォッカ、ジン)や、麦芽と米粉をベースにした国産グレーン・ウイスキーの製造を予定しています。

さらに、自社蒸溜所にて麦芽100%で発酵・蒸留させる、シングル・モルト・ウイスキーの製造を行っていく予定です。

▽スピリッツ・ウィスキーについての詳細はこちらからご覧いただけます▽